はじめによもやまペット本(小説やら漫画やら)銀魂色塗り自作の話HRK博物館や美術館寺社仏閣

ぱちぱちエリー



活動中のサークルHRKのHPです
HRKは通販もやっています。

--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2012.06.03 Sun
奇兵隊といえば、武士ではない階級の者を集めた戦闘集団。
そして武士と互角以上に渡り合い、明治の時代を作る礎になったというのがイメージ。
かたや幕府といえば、旧来のものから脱却できずに敗けたというのが、もう一つのイメージ。
あ、これは私にとってのイメージです。

そんな奇兵隊の下っ端の人々のその後、
そして幕府にもあった、武士でない階級の者を集めた戦闘集団、幕府歩兵隊の話を書いた2冊。
勝者と敗者、新と旧。
「長州奇兵隊 勝者のなかの敗者たち」一坂太郎  (再読)

筆者の一坂さんは、高杉さんの記念館の副館長さんですが、
目線が偏りすぎていず、語り口調なので読みやすかったです。
長州のために戦った奇兵隊の一員の中にも、明治後の処遇を巡って反抗した人、
高杉さんの姪が地元では無理で遠くへ嫁ぐことになった話、
明治になって元勲と呼ばれた人が地元へ帰りたがらなかった理由、
東北の地で眠ることになった人々の墓の行方などが語られています。

長州が、幕末から明治にかけて歴史を動かす土地となったがゆえに、
強い光を浴びた分だけ強い影になった人もいるという印象の本でした。
今では奇兵隊という名の中には、一抹の暗さも抱えていないようになってしまって見えるし、
ヒーローと同じような宣伝文句が語られるときには並ぶけれど、そうじゃない。

奇兵隊という隊を祀り上げるために惨殺された人も、
戦後反抗したがゆえに士分を取り上げられ靖国神社に仲間と一緒に祀られなかった人も、
長州という場を、明治という時代の正当性を高めるために翻弄された人のような気がして、
読んでいてさみしい気分になりました。

とかく幕末から明治は、どこかの藩や人物のファンが偏った目線で語ることが多く、
華々しさ満開で実情が見えなかったりするのですが、
隠していた暗さを書くことによって、府に落ちる本となっています。
奇兵隊というより幕末から明治への混乱がより身近に感じられ、
私にとってはかなり理解しづらい面がある幕末という時代を、
見ていた反対側から照らして見せてくれた本でした。


そんな長州と対極にある、幕府側の本。


「幕府歩兵隊 幕末を駆けぬけた兵士集団」野口武彦

幕府にも、実は出身が武士階級ではなく近代武器で戦う部隊があったんです。
それが幕府歩兵隊。
新選組がイキのいいやんちゃ坊主の集まりだとすれば、こちらは破落戸の集まり。
背中には刺青、博打と女が大好きで度胸だけはある、なんてお兄さんがたがぞろぞろ。
そんな幕府歩兵隊のお話です。

初めのうちは敗けることも多かった歩兵隊ですが、段々戦に慣れてくれば強くなって、
最後は北海道まで戦い抜きます。

この時代、銃の性能が短時間で高機能と化していく中、どうしてもそれを手に入れられない幕府と、
そのせいで新政府軍から後れを取りがちになる中で奮戦する幕府歩兵隊。
ただの破落戸が、現代で言う外人部隊のように活躍していくんですが、
それでもやっぱり破落戸のままってところが、なんだか好きです。

歩兵隊は、大鳥圭介、古谷佐久左衛門、土方歳三といった3人の指揮官と北海道で戦います。
古谷さんは河井継之助を脇役で助けた人物と紹介がありますが、
この今では無名の人となっている古谷さんも、ちょっと面白そうな人物。

この破落戸たちは、上が頼りないと見るや言うことを聞かず、上が頼りになりゃ最高の働き。
そんな連中の中で、刀での接近戦から近代の銃刀での戦いへと、
シフトチェンジして彼らをまとめ上げた土方さんのお話は、少ないのが私には残念です。

戦国時代、足軽は多くが普段は農民だったりしたわけだし、
傾奇者なんて歩兵隊と同じくただの破落戸。
武士が職業ではなく階級と化してしまったからこそ、また彼らの力が必要になったんでしょうね。
まあ、江戸時代の武士ってのは練習試合すらないままに年月を経てしまった運動部、みたいなもんです。
いきなり実戦で戦えるわけがないよね~。
ご先祖様が見たら、幕府側だけではなく新政府側の戦いも手抜かりがあると怒られそうですね。

読みにくい部分もあるのですが、幕府歩兵隊かく戦えりという感じの内容なので、
男性のほうが読んでいて面白さを感じそうな印象です。
最後は滅んでしまう歩兵隊ですが、玉数が双方に尽きれば新政府軍と休戦し、
歩兵同士でのんきに会話してたなんて話が印象的でした。



奇兵隊と歩兵隊と、違う局面の似たような部隊で侍ではない者たちの集団ですが、
翻弄されていくさまは似ているかもしれませんね。

それにしても、土方さんという人は指揮するという立場に長けてますね~。
外見は優男な分、こういうお兄さんたちにはなめられがちだと思うんですが、
荒くれどものまとめ役にはぴったりな人なんだよね~。
破落戸の中であの風貌の士官がいるってのは、想像すると絵になるなー。
新選組としての土方歳三が語られることが多い中、歩兵隊の士官としての土方さんに興味がわきました。
面白そうな本があれば、読んでみたいところです。

 

スポンサーサイト
管理者にだけ表示を許可する

TrackBackURL
→ http://360x2.blog72.fc2.com/tb.php/639-d9702567
奇兵隊といえば、武士ではない階級の者を集めた戦闘集団。そして武士と互角以上に渡り合い、明治の時代を作る礎になったというのがイメージ。かたや幕府といえば、旧来のものから脱...
まとめwoネタ速neo 2012.06.07 Thu 07:18


Template by まるぼろらいと
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。