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2012.05.12 Sat
続きを読む以降は私の書いた話です。
銀魂の世界観を基にしておりますが、公式なものではまったくないので、覚悟を決めてどうぞ。
また、特定のカップリングがお好きなや、思い入れがある方はやめておいたほうが無難です。

今回の話は3zです。
沖田さんの目線からのお話です。
若干のカップリング要素も含むので、苦手な方はUターンしてください。
カップリングは沖神ですが、いちゃいちゃしないのでいちゃいちゃが好きな方も、
がっかりするので止めた方がいいです。

予定では4月から3月までの12ヶ月の構成となる予定ですが、
私の気分次第、頑張り次第の更新となります。
つまり予定は未定、そういうことw

4月分はこちらから → April


では、楽しんでいただければ幸いです。
Dog Year

May
April showers bring Secret flowers.



休み明けの馬鹿な小テストが終わり、そのせいで俺の頭はくたびれたままだ。
校長と教頭が銀八を目の敵にしてるのはどうでもいいが、
そのために小テストで80点以上を取らなきゃいけなくなるなんて、腹が立つ。
教師同士の騒ぎに、こっちまで巻き込まないでもらいてーんだがな。
生徒に散々迷惑をかけたくせに、銀八はちっとも申し訳ないと思ってないようだ。
「ちっとは利口になったんだ、俺に感謝しろよー」
そう言って、クラス中から反感を買った。
確かに銀八のおかげで、罰は免れた。だが、元凶はあいつってことを忘れてる。
3zはそんな担任のせいなのか、
だらだら過ごした春休みの空気が5月になってもまだ抜けていないようだった。
中間試験が近づいて、他のクラスはざわざわしてるってのに暢気なもんだ。
ま、俺も試験が近いのに早く帰れる方を喜んでんだから、他人のことを言えねーが。
風紀委員もテスト前はやることもない。
近藤さんは、志村妙が「お金を今は持っていないなら、
頭のいい将来性のありそうな人がタイプ」と、そう言ったおかげで小テスト後も勉強していた。
そろそろ頭から火でも噴きそうな頃合だが、まだどうにか保っている。
土方の野郎は勉強よりもマヨの研究に余念がなく、もう少しで新製法が開発できるんだと。
おかげで、近藤さんの道場に通うのはしばらく休みとなった。
誰からの干渉も免れて、俺は一人で街に出た。

田舎と違って、東京の街は夜でも明るい。
一晩中ネオンが点いていて、暗くなることがない。
夜空を見上げるやつは少ないし、そんな余裕はこの街には落ちてねえ。
そんな酔っ払いだらけの繁華街を通り、客引きを交わして目当てのビルにたどり着いた。
上はキャバクラやスナック、イメクラにメイド喫茶、ソープやヘルス、SMクラブと風俗店が、
派手な看板を通りに掲げている。
各階1フロアの中で、いくつかの店がスペースを分け合っている。
俺の目当ては、地下だ。
入り口の大人のおもちゃ屋の店員に、カードを見せて奥へと通される。
細い通路の奥には地下に続く暗い階段があって、
降りていくにつれてチカチカと点灯する黄色い灯りが、色の濃さを増していく。
一番下の黒いドアには従業員専用と銀色のプレートがかかり、それを押して中へと入った。
中には申し訳程度のロッカーが左右に並び、その奥にあるロッカーのひとつのドアを開ける。
ロッカーの中にはもうひとつのドアがあり、
入ってきたドアを閉めると鍵が開く仕組みになっている。
ロッカー室に流れる騒音消しの有線放送の音を聞きながら、抜けた先にある目的のドアを開いた。

真っ暗に近い中、色のついた灯りが室内を鈍く照らしていた。
灯りはあるがそれも暗いため、部屋の奥行きもそこにいる人数も分かり難い。
フロアに流れる音楽は日によって違うが、今日は洋楽の日のようだ。
6、70年代の渋いのがかなり大きめに流れて、
顔を近づけて話さないと互いの会話もままならないだろう。
俺は入ってすぐにあるバーカウンターでドリンクを注文する。
青い光に照らされているここは、さながら安全地帯のようでバーテンも穏やかだ。
バーカウンターの隣にはピンク色の灯りが点り、その下で女と男が身を売る交渉をしている。
そことは対角線上に赤い色のエリアがあって、非合法の薬物やら身分証やらを売る人間がいる。
どっちもこの店内では話の取引はできても、金のやり取りもブツの交換も禁止されている。
それでも、買いに来る人間もいるし、情報もやり取りできるからこの店に集まってくる。
彼らの客になる人間は、入ってきた入り口から一番奥に当たる紫色の灯りの下で、
暗闇に半分溶け込みながら存在していた。
ドリンクを手に取り、紫色のエリアと赤いエリアの真ん中でソファに座る。
周りの人間は知らない顔ばかりだが、ここじゃ誰も気にしない。
クラスにいりゃ3zの沖田としてふるまわなきゃならねーが、ここではその必要もない。
誰かに愛想よく笑うことも必要ないし、腹の立つようなこともないし、
気を遣わなきゃならねーこともない。
目の前のソファに座ってる男は俺の顔を見たが、
知り合いじゃないと分かっても、そのまま俺を座らせてくれた。
男のソファの隣には、赤いエリアから女がやってきて、
ここで手に入れた日本人の戸籍の話をしているが、俺は目を閉じ聞こえない振りをする。
風紀委員も3zも天涯孤独な身の上も、流れる音楽で耳から流しソファの下に全部捨てた。

「ソーゴ」
ソファに身を沈めていると、俺がこの店に来る原因になった男が、俺の隣に座った。
目を開くと、にやにやして楽しそうだ。
俺が街で他校のやつらに囲まれカツアゲされそうになったところを、
逆に半殺しにした現場をこいつが見ていて、何故か俺を気に入ったのだ。
「相変わらず酒しか飲まないんだな。なあ、小遣いやるから女とヤッてきたらどうだ」
「めんどくせェ」
俺がそう言うのに、男は俺に札を握らせた。
隣のエリアで、何かを売って稼いだ危ない金だろう。
金を握らせないと何もできねーのか、ホントにめんどくせーやつだな。
男のこれから始まる自慢話を聞く金として、黙って受け取ることにした。
黙って話を聞いていると、曲が静かになる合間に声がした。
「ここにいるって聞いたアル」
アル?
驚いて振り向くと、少し離れたところにチャイナがいた。
赤い光の下だから確証はもてないが、あいつだ。
あいつのピンク色の髪が、赤い光のせいで赤毛に見える。
見慣れないチャイナ服を着て、学校と同じメガネをかけていた。
「早く……のこと…話すネ」
「教えられ……」
切れ切れの会話からすると、誰かを探しているようだ。
相手の男は首を振り、チャイナを相手にもしていない。
かわされてじれたチャイナは、男の襟首を掴み大声を上げた。
「神威はどこにいるって聞いているアル」男はチャイナの迫力に負けたのか何かを囁き、
それを聞いたチャイナは肩を落として、一人で入ってきた扉の向こうに消えた。
「あの娘、ずいぶん危ないの探してるんだな」隣の男はチャイナが店を出た後、そう呟いた。
「神威ってヤツは、危ねーヤツなんだ」
「ああ、最近この辺りの顔になったんだ。喧嘩がめちゃくちゃ強えんだが、
とにかく情け容赦ない喧嘩をする野郎で病院行きが何人も出てる。
どういうルートがあるんだか知らないが、やくざにも顔が利くって話だぜ」
そんな危ないやつだと知っていて、あいつは探してるんだろうか。
学校にいるチャイナと、危ないやつを探しているチャイナが、俺には結びつかなかった。


学校でのチャイナの様子に、変化はなかった。
いつものように2時間目には早弁をし、昼には購買でパンを買う。
昼の購買では、あいつの目の前で、俺が最後の銀魂ロールを手に入れた。
特大ウィンナーとミートボールを2つコッペパンに挟んだ銀魂ロールは、
何かに似てると評判だが一番人気だ。
銀魂ロールは、本来アームなんちゃらと長い名前が付いてるが、面倒くさがって誰もそう呼ばない。
よりパンに挟まれてる物に近いほうに似ている名で、みんな呼んでる。
「それ、私のほうが先に目をつけてたネ」
「へー、だから?」
人ごみの中で大勢の前で指を指されるが、俺に落ち度はねーよ。
「今日だけじゃない、昨日も一昨日も、お前が最後の銀魂ロールを横からかっさらったアル」
「人聞き悪いこと言うな。お前がとろいだけだろ」
「毎日毎日銀魂ロールじゃ飽きるから、今日は私がもらっておいてあげるネ」
最後の「ネ」でチャイナは俺の手に飛びつくが、俺はさっとパンを持ち換える。
手に入れられなかったチャイナは、舌打ちをしてトライするが同じ結果だ。
「あきらめるんだな、銀魂ロールは俺のもんだ」
目の前で袋を開け、パンを口に頬張るとチャイナの顔が泣きそうな面になった。
「いつかお前の銀魂ロールは、私が全部手に入れるネ」
「お前、銀魂ロールが俺のもんだって認めるんだ」
自分の凡ミスに気がつくと、「馬鹿、どケチ、どS」と大声で騒いで走り去った。
教室に戻り心優しい俺は、チャイナが金だけ払って持って行き忘れた、
期限切れの特売で半額になっていた豆パンを、机の上に置いてやる。
銀魂ロールは無理でも、こっちが買えたんだからこれで我慢しやがれ。
だが、志村姉弟とどこかで食ってんのか、教室にあいつの姿は見えなかった。
そうやっていつもと変わらずに迎えた中間テストは、いつも以上に悪い点数だった。
近藤さんより悪いとは、さすがに遊びすぎた。
追試と補習になり、その合間にあの店へ行った。二日間足を運んだが、チャイナは現れなかった。
いつものように暗がりのソファで、周囲の雑音の中から流れ込んでくる目新しい話を
拾おうとしたが、何故だか面白くなかった。
早々に家に帰ると、ぐっすりよく眠れた。

国語で補習になったのは、俺とチャイナだけだ。
ひっでー組み合わせ。
俺の点数が悪かったのは、更級日記がかったるいせいで、菅原孝標女が悪い。
不倫愛憎劇でどろどろの源氏物語や、合戦の多い平家物語ならいけたはずだ。
点数がひどかった現代文訳をしっかり書かされ、頭の中は平安時代だ。
俺よりひどい点数だったチャイナは、もっとみっちり詰め込まれてる。
ざまーみろ。
半泣きになりながら「銀ちゃん、頭痛で頭が痛いアル」なんて泣きついて、
「頭痛も頭が痛いも同じ意味だぞ、神楽」と相手にされやしない。
補習も終わりに近づいたころ、日本史教師の全蔵が教室に入ってきた。
「銀八っつあん、職員室に電話かかってるぞ」
「んだよ、誰だよ相手」
「急ぎだって言ってたぞ。名前聞きそびれたが、他校の先生だったな」
「オイ、誰か他校のやつと喧嘩したって聞いてるか?」
銀八は俺に聞くが、風紀委員にはそんな話は入ってない。
「知らねェ、聞いてねーよ」
「ったく、しょうがねーな。オイ、おめーらは大人しく問題やっとけよ」
そう言って、銀八は教室を出ようとし、振り返った。
「あ、そうそう。ここは教室なんだからよ、いかがわしいまねするんじゃねーぞ」
そう言って、部屋から出て行った。
おいおいおい、俺だって相手を選ぶっつーんだよ。
誰がチャイナなんか相手にするかってんだ。
がたっと音がして前を見ると、チャイナめ、席を俺から離しやがった。
「勘弁してくれよ、お前なんか眼中にねーよ」
「あたしだってそうネ。だけどマミーが言ってたアル。男はみんな狼って」
「くっだらねー」
途端にやる気が失せた。

問題の残りは適当に埋めて、銀八が帰るのを大人しく待った。
だが、チャイムが鳴っても銀八は戻ってこなかった。
俺もチャイナも問題を終えたが、帰っていいのか分からない。
「銀ちゃん、遅いアルな」
「ああ、うんこでもしてんだろ」
「お前も大変アル。そのうち逮捕されそうなストーカーに、
マヨにしか興味のなさそうなマヨタクが友達ネ。
銀ちゃんが、お前が赤点なんてあの二人のことが心労になったって言ってたネ」
銀八とこいつに心配されるなんて、なにやらかしたんだ、あの二人?
「まーな、俺様ぐらいじゃねーと面倒みれねーからな」
「特にあのゴリには注意していたほうがいいネ、今のうちに檻を用意したほうがいいネ。
ほんとに、手のかかるやつが上にいると、下は大変ヨ」
しみじみと語るチャイナの言葉に、俺も同意だ。
職員室に様子を見に行こうと思ったところで、全蔵がやってきた。
「おい、終わったか?まだ銀八、手が離せねーんだよ。終わったら帰っていいぞ」
全蔵にプリントを渡し、身支度をした。
「銀ちゃんは、まだまだかかりそうアルか?話したいことがあるネ」
俺が教室を出ようとすると、あいつは全蔵と話をしていた。
「うーん、じゃあ職員室で待つか?」
俺は、あいつの返答を聞かずに教室を出た。
近藤さんの道場で久しぶりに汗を流し、次の日学校に行くとチャイナは休んでいた。
銀八は変わらず、半分目が死んで黒板に文字を書くことすら面倒くさそうだ。
試験明けの教室はだれきった空気が漂い、静かだった。


暗い家の中に、誰かがいた。
闇に浮かんだようにそこだけに光が当たり、俺は遠くからそれを眺めているようだった。
そいつは、後ろを向いて台所に立っている。
誰だろう?
髪の短い、女性?……姉上?
そうだ、姉上だ。
どうして一目で気がつかなかったんだろう。
後姿の姉上は、いつものブラウス、スカートにエプロン姿だ。
なんだか楽しそうで、音は聞こえないが鼻歌を歌っているようだ。
体がリズムをとりながら揺れ、フライパンで何かを炒めているみたいに動いている。
「姉上!」
俺の声は聞こえないようで、振り向かない。
でも、姉上が楽しそうだから、それでいい。
何作ってんだろう。
いつもみたいに、俺の好きなものだといいな。
姉上、こっちを向かないかな。
そう思ったら姉上は振り返り、俺に向かって笑いかけた笑顔が、見る間に闇に薄れた。

目が覚めると、部屋の中は夢の中よりも暗かった。
やっぱり夢か。
姉上が振り向いた瞬間、夢かなという思いが胸によぎった。
よぎったと同時に色あせて、この通りだ。
久々に見た姉上の笑顔を思い返そうとするけど、もうぼやけてはじめている。
仕方ねェ。
点けたくなかった電気を点けるか。
この部屋の暗さは、学校から帰って電気もつけずにベッドに直行したせいだ。
灯りを点けて時計を見ると10時半を過ぎていた。
パーカーとジーパンに着替え、下に降りる。
冷蔵庫から頂き物のハムとポテトサラダを出し、3日前に買った食パンに挟む。
牛乳でそれを流し込んで、町に出た。
歩いているうちに小雨が降ってきて、ゲーセンの前で知り合いのホームレスから、
ビニ傘を格安で手に入れた。
いつもの店に着くと、天気のせいなのか人が少なめだった。
がんがん流れる古い歌謡曲で、姉上の残像がどんどん薄れていく。
まだその笑顔を思い出すのは楽じゃないから、ちょうどよかった。
俺がどんな顔をしているのかは、この暗がりじゃ誰にも見えない。
知り合いに会いたくないけれど、一人でもいたくないから、ここがよかった。
だが10分もしないうちにソファの前に女が座ってきて、俺を誘ってきた。
静かにしてるのを邪魔されて、ムカついたから躾してやり、どっちが上か教えてやった。
目の前の女に「ハウス」と指示をしていると、後ろから聞き慣れた声がした。
「本当アルか?」
チャイナはこの間ここで見かけたときと同じく、上下チャイナ服だ。
数人の男が取り囲んでるが、その真ん中で一人で男達と話していた。

「ああ、ついてくりゃ分かるよ」
「神威がそこにいるアルか?」
「カムイ?ああ、カムイね、カムイカムイ。うん、いるアルよ」
ゲラゲラと男達は笑い、完全に危ない状況なのに、チャイナは男達と一緒に店を出る。
あいつ、本当に馬っ鹿じゃねーの?
チャイナは動きは素早いが、頭は全く働かないらしい。
どう考えてもやばい状況だろ、女一人でついて行くか?普通。
連中にばれないように、数分をおいてから俺も店を出た。
パーカーのフードを深くかぶって、用心のために顔を分かりにくくする。
万が一、顔を見られればあの店で暇がつぶせなくなるし、
俺が銀魂高の生徒だと分かれば、結構めんどくせーことになるだろう。
あいつらがロッカールームにいれば俺が出たらばれるから、扉を開けるとき冷や冷やしたが、
誰もいなかった。開いてたロッカーに突っ込んでおいた、ビニ傘を取り出し後を追う。
階段を急いで上がり、路上に出ると20mくらい前を歩いていた。
小走りに近寄るが角を曲がられ、慌てて俺も曲がる。
やべェ、姿が見えねえ。
近くの路地をひとつずつ点検すると、二本向こうの曲がり角から悲鳴が聞こえた。
「きゃーっ」
ん?チャイナ?
あいつ、いつの間に声変わりしたんだ?
野太い声とともに、人が転がり出てきた。
でっけー図体した金髪だ。

「神威はどこだって聞いてるアル」
金髪の野郎を拳で一発殴りつけ、そいつの出てきた通りを見ると、チャイナがいた。
3人の野郎共が路上でくたばり、その中のラッパーまがいでちゃらついた服装をした男を、
チャイナは胸ぐらを掴んで脅している。
チャイナの隙を突いて、こっちに逃げてきたモヒカンを足払いして道に転がし、
手早くパンイチにして、そいつの持ってたチェーンで足を縛った。
「てめー、聞いてるのか?あん?早く言うアル」
容赦なく殴るチャイナだが、残念ながら男は気を失ってる。
そのチャイナの横で倒れた男が、もぞもぞ動いている。
男をサンドバッグにすることに気をとられたチャイナは、横の男に気がつかない。
「チャイナ」
俺の呼びかけに、チャイナが反応した。
男は、その辺に転がっていた割れたビール瓶で、振り向いたチャイナに切りつけようとする。
俺は持っていたビニ傘で男の胴を殴ると、ボキっと骨の折れる音がした。
やべー、傘が折れた音ならいいが相手の肋骨やっちまったかも。
パーカーかぶってるからバレねーだろうが、とっととずらからないとやばい。
俺を見るチャイナは顔に血しぶきが飛んで、女っつーよりやくざだ。
「やめとけ、チャイナ。そいつもう気を失ってるぞ」
殴ってた男に注意を向けさせたが、チャイナはそいつじゃなく俺を見ている。
驚いたっていうよりも、納得がいかねーってツラだな。
「なんでお前がいるアル」
「さーな、気の迷いだ。ちょっと待ってろ」
倒れてた野郎共をさっきと同じように全員パンイチにし、身分証代わりのものをとりあげ、
携帯で情けない姿を撮影すると、かろうじて意識のある男の元に行った。
「女にやられたなんてばらされたくなきゃ、これ以上は分かってるよな?」
うんうんと激しく頷いた男を解放してやる。
どいつもチャイナに殴られて顔が腫れ上がり、大仏みたいなツラになってる。
複数人で女回そうとしたクソ野郎だから当然の報いだが、しばらくは水を飲むのもつらいだろう。
俺は、女に殴られるなんて死んでもごめんだ。
「行くぞ」
チャイナの頭が混乱している隙に、その場から連れ出した。

「やるじゃねーか」
「何がアル」
「全部お前がやったんだろ?」
「あんな弱っちい奴ら、朝飯前ネ。お前がこなくても、全部片付けられたアル」
なんか不満そうだと思ってたら、俺に手貸してもらったってことが不満だったって訳か。
ほんとに気の強い女だな。
「なんでお前があそこにいたアル」
「偶然通りがかっただけだ」
さっきの奴らの仲間がいないか様子をうかがいながら、大通りまで歩いた。
まだ終電の前で、通りには酔っ払いがたくさんいる。これなら大丈夫そうだ。
そのまま、通りを歩き駅を探した。
「ほら、駅だ。今日はこのままおとなしく帰れよ」
駅を指さし、チャイナに言った。
「うるせー、お前の命令なんて聞かないアル」
「…っ、お前なー」
チャイナは、駅の入り口で振り返った。
「帰るのは私の意思アル、お前は関係ないネ」
「勝手にしろィ」
「けど、今日のことは、銀ちゃん達には黙っておいてほしいアル」
「安心しろ、言わねーよ。俺だって喧嘩に荷担したのがバレたら、やべーんだよ。
これでも一応、風紀委員だからな」
チャイナは俺のことが信用ならないのか、じいっと俺の顔を見る。
「しゃべらねーって言ってんだろ?早く行けよ」
ようやくチャイナは地下鉄への階段を降りていった。
さーて、俺も大人しく家に帰るとするか。
俺が家への道を歩き出すと、後ろからでっかい声がした。
「じゃーな。今日はありがとうアル」
んだってんだよ、調子狂うな。
チャイナの思わぬ言葉に戸惑わされたまま、家への道を俺は急いだ。

翌日、俺はいつものようにチャイナに背を向けた。
チャイナは、いつものように俺に背を向ける。
「せんせー、隣からウィンナーの匂いがします」
俺にチャイナはウィンナーを見せつける。
「せんせー、これはただのウィンナーじゃありません。タコ様ウィンナーです」
教卓であきれた銀八が、チャイナに言う。
「タコ様だろうがなんだろうが、ウィンナーはウィンナーだ。弁当しまえー」
俺のせいで早弁が失敗したチャイナは、俺に向かって舌打ちする。
「お前のせいネ」
「てめーが悪いんだろ」
俺がチャイナにそう言うと、新八がいつものようにつっこんだ。
「止めなよ、二人とも。いい加減仲良くしなって」
イライラした俺達は、同時に新八に返答した。
「「やだね!」」

俺とチャイナは、いつも仲が悪い。



6月に続く・・・・・・多分
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まとめwoネタ速neo 2012.05.16 Wed 15:09


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