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2010.10.13 Wed
たまにはちょっと真面目な話でも。
ときどき耳にしたり、目にする動物の虐待の話です。

私の家の猫の話です。
彼女は元野良猫で、人間からの虐待を受けていた子です。
彼女について書くのは、彼女を飼うことにしたときに、ネットを探しても虐待された動物を飼っている人が少なかったから。

新しく飼った子がそうですという内容はあっても、その後についての情報があまりにも少なくて、里親保護の活動をしている方の掲示板に伺ったこともあります。
今ではブログで書いてらっしゃる方もいらっしゃいますが、すこしでも新しい飼い主さんのお役にたてれば幸いです。


虐待を受けた動物の心にも、体と同じような傷は残ります。
彼らを癒すのは傷をつけた人間と同じ人間として生きている新しい飼い主さんです。
言葉が通じなくて、彼らの過去は分からないし、慰める言葉も謝る言葉も伝えることはできません。
それでも、態度でそれを伝えてあげてください。

ちょっと時間はかかるけど、大丈夫。
彼らの親はあなたです。
あまやかすのではなく、愛してあげてください。


内容が内容なので、ご不快に思われる方もいると思いますので、以下は追記に書いてあります。
ただの思い出し話です。


我が家の猫、「のん」は多分10才を過ぎた猫。
多分とわざわざ書くのには訳があって、彼女の年が不明だから。
彼女は10年前の6月に我が家の車庫に現れた。

見つけたのは猫が大嫌いな父。小学生の私が拾ってきた猫を捨てに行った人。
6月の雨の日、濡れたくなくて車で行こうと車庫に行き、車の下にいる猫を見つけた。
出てこない猫に困って、ちょろちょろと水を流すと出てきた猫。

やせっぽちなんてもんじゃない。頭やお尻の骨が分かるほどにガリガリで、長い尻尾の真ん中辺りをぐるりと一周している血の帯。鳴くことすらままならない子。毛がぼそぼそで、縞模様がよく分からない。
そのまま誰に告げずに父は会社に行き、仕事をして、帰宅。

猫はまだ、そこにいた。

家に入って、ガリガリの野良猫がいると告げて、次の日の朝、まだそこにいる猫にえさをやってしまった父。
まだ我が家の犬である「なな」が元気で、そのカリカリしたえさをおいしそうに食べた猫。
多分、父は初めて猫にえさをやった。
雨続きで行くあてもなく居続ける猫の尾は、ずうっと治ることもなくて、案じた父は縁側に雨よけのブルーシートをかけた。

10日経っても傷は治らない。
たまりかねて動物病院に連れて行くことを父は了解した。
それは、彼にとっては多分とても大きな決断だった。
わざと事の成り行きをじっと黙ってみていた私と妹は、内心の大喜びを隠して、次の日には病院に向かった。
飼いたいと告げることも病院を提案することも、私と妹からの提案では意味がない。そうすれば猫の惨状から了解するだろうけれど、彼は猫から距離を置く。私と妹は、父を巻き込みたかった。

病院の先生は治療後には部屋の中で安静にできなければ手術はしないと、私達に飼う覚悟を促す人。飼い主が悪ければ、きちんと怒ってくれる動物に優しい先生。
数日たって、術後の猫を引き取りに行った。
「多分、生後半年くらい。ただ、あまりにもやせすぎているのと、自然治癒した傷が多すぎて、その影響でどれくらい成長が遅れているのかは、分からない」
10日間、えさを食べて丸みが出てきたはずだけど、体重は2kgをきっていた。
尻尾は手のひらでひとつかみできる分を残して、切らなければいけない傷だった。

家に帰って、一番喜んで猫を迎えてくれたのは、猫好きだった犬の「なな」。
犬を怖がって籠の中で猫が威嚇するのに、見せてくれとクンクン鳴いて尻尾を振って私にねだる。
空いていた弟の部屋にトイレとご飯を設置して、猫部屋が完成した。

「のん」と名前が付いた頃、人の部屋にはいって眠ることを覚えた。毎日不安で不安で人が寝静まると30分以上もサイレンのように鳴き続ける猫に、私はドアを開けた。部屋に入ってもしばらく鳴いて、寝ていた人間が起きるほど。

のんびりして、のんきで過ごして
の は猫の寝る姿
ん は猫の尻尾みたい
何より、ぼんやり頭の愛犬が間違えない音。

のんの体はぼろぼろだった。
尻尾のつけねを2周する傷は、バッテンになるように背中のところで結ばれている。
腰の辺りと内腿に人差し指くらいの長さの、ケロイドみたいな火傷のあと。
下半身を中心にあちこちある数えられない傷はどれも自然治癒しているから、治るときに引き攣れた背中の模様は曲がってる。
お腹を上に抱っこすると、左足がまっすぐのまま。
そのせいで歩くときに「ぺたん」とアニメみたいな足音がする。

1ヶ月経って、母が雨戸を閉じるときに脱走した。
戻らなかったらどうしようと思ったけれど、彼女がされたことを考えたら戻らなくてもおかしくないんだと思いながら、夜を過ごした。
夜中の3時を過ぎて聞こえた鳴き声にほっとして「おかえり」と告げて。
でも、まだ彼女が本当に私を信頼しているわけではなかった。

虐待された猫の、心の回復は季節単位。
ほんとうにゆっくりの歩みでしか人を信頼することはできない。
おいしいご飯をお腹一杯食べても、誰も叩く人がいなくても、その手を信じることは難しい。
普段は足元にえさをねだりにやってくるし、大人しくなでられていたけれど。

自分から膝に乗ったのは3ヶ月過ぎてから。抱っこをしてもすぐに降りてしまっていたのに、降りるとうらめしそうにしていた。何度も迷って、意を決して飛び乗って。緊張で固くなっていた体は、なでているうちにゆっくりほどけた。
布団に乗ってきたのはその数日後。頭のすぐ横に丸くなってくっついて、ちょっと動いただけで分かるように慎重に慎重に。お布団に入ってみたら、あったかかったけど長い時間だと古傷が疼くから、30分が限界。

のんは人の皮膚に決して爪を出す子ではないのだけれど、抱いて歩いているときに後ろからやってくる男性の大きな足音にパニックになって、爪をたてて私の顔から頭を駆け上がった。家の子になって1年近く経った頃のこと。若い男の人は今でも苦手。

我が家にやってくる人は動物好きが多くて、警戒心の強いななに吠えられるのを悲しく思うような人たち。だから猫がいると言うとみんな関心を持ってくれるけど、彼女の事情を話して、姿を現しても彼女のほうを見ないこと、大きな声を出さずに気がつかないふりをしてくれるようにお願いした。
彼女が客人の前に姿を現すようになったのは2年近く経ってからだったし、だれも彼女を見なくてもお客さんの帰った後は私のクローゼットの中にお篭りをしてしまった。それでも、3年経つとどうにかお客さんがそちらを見ても、声をかけても大丈夫になった。
私が抱いているならちょっとだけなでさせてくれるようになったのは5,6年経ってから。
誰も彼女になつくことを強いらずにいてくれたことを感謝するほかはない。

悪さをして、叱られると「もうイヤだ、出て行くと」窓の前で大騒ぎをして、外に出られないと分かるとお篭りをして、一眠りして目を覚ますと私の前にやってくる。上目遣いで「怒ってない?」と様子を伺う。やったことに対して叱っただけで、嫌っているのではないのだと分かってもらうためにも、きちんと叱ってその後はかわいがる。
何度も何度も、繰り返しの愛情確認。

先に犬がいたのも彼女にとってはよかったみたい。
なながかわいがられているのを見て、のんはかわいがられることを学習したようだ。
種族が違っても仲良くする方法はいくらでもある。


あれから10年が経った。

先に住んでいたのが犬だったからなのか、散歩をしたがる子になった。
ななが生きていた時は人間と犬に守られながら、得意げな顔をして後をついての散歩が大好きだった。彼女と歩くと時間がかかりすぎるのに、ななは辛抱強くつきあってた。
そして、玄関でお出迎えをする子にもなった。
犬は出迎えるときに本当に待っていました~とうれしそうだけれど、猫はニャーニャー文句を言う。
名前を呼ぶとめんどくさそうに返事をして、尻尾で挨拶をする。
私の手をざらざらの舌で痛いほどに舐めて、それを使って自分の顔を洗う。

心配していた足は全く支障がないようで、庭木を駆け上ったり近所の屋根の上を歩いてたりする。飼い主に似ず、運動神経がとてもいい。足はまだ伸びてるし、ぺたんと音がするけれど。

今でも毛が生えてこない傷跡がある。だから擦り傷が絶えない。傷を舐めるから気をつけていても治りが遅い。腰から下に触れられるだけで、体が固まってしまう。
膝の上も布団の中も安心するけれど、昔と同じで30分いたら下半身が気になってしまう。皮膚がちくちくしてるみたいだ。だからほんとうに甘えたいときと寒いときだけそうする。

ななが死んでショックを受けて、数日は私のクローゼットに篭った。
弱っていくななを見ても、なんともないようだったのに不思議だ。

やせてるから耳が大きいのかと思ったら元々で、鳴き疲れたから濁声かと思ったらそれも元々で、きれいになったのは縞模様の毛並みくらい。体重は4kg以下のベスト体重。


のんはもうちょっと私の傍にいてくれそうだから、多分もうちょっと仲良くなる。
彼女がいる限り、猫は他には飼わないと決めたのは、人間としての罪滅ぼしのつもり。
もし彼女が他の猫を連れてきたらその限りじゃないから、そそのかしてみるけどのんは猫が怖くて仕方ない。


もし、最後まで読んでくれたあなたのそばに、生きているものがいるのなら
大事にしてあげてください
それが虐待を受けた子なら、ゆっくり変わるのを待ってあげてください
優しくされるのが初めてだからどうしていいか分からなくて、
愛情を試してみたりもするけれど好きになるのが怖いだけです



そのうち、あなたのそばにいることが大好きな子になる
あなたの大好きはちゃんと通じてます
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