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2010.09.13 Mon
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今週はジャンプは買わないので、感想もなし。


森見 登美彦  「新釈 走れメロス  他四篇」

「山月記」
「藪の中」
「走れメロス」
「桜の森の満開の下」
「百物語」

上記五点、解説でアニメ監督の神山さんが「原作の骨(構造)を借り、皮(タイトル)を被っただけの立派なオリジナル青春小説」と仰ってますが、まさしくそんな印象。
京都のある大学の学生達が主人公。
「四畳半」などの森見ワールドで出てきた出来事もちゃんと登場します。

山月記、未完成(であるがゆえ)の大作を綴る天才。完成してしまうと見えてしまう己の欠点。
完成しなければ、見なければ、気がつかなければ、欠点は存在しない。
どんなことでも言うは易し、行うは難し。
冷酷なまでの第三者の視点があるからこそ物語って内部で展開するもんだと思うんだけど、
物語内での他者の視点を自分自身には適用しにくいってことかな。
自分自身を冷静に見つめるのは確かに一番難しい。
特に、他人から欠点の指摘 = 自己の否定ってことではないんだけどね。
「完成しない話」なんて、あー耳が痛い痛い。

藪の中、受け取る人によって言葉は違う意味を持つ。
それは書かれた文章でも、表情のついた話し言葉でも同じ。
そして、言葉で語られることが必ずしも本心のままではないということ。
どんな言葉でも語り部のフィルターを通して語られるということ。
いつも真相は、だから藪の中。

走れメロス、おーここまでやるかwな「走れメロス」
真面目で友情にあついメロスならぬ、不真面目に友情を繋ぐメロス。
京都の町をぐるりと走り抜け、桃色ブリーフから逃げ回るメロス。
太宰のメロスと鮮やかに裏返る森見メロス。
一乗寺 → 京大 → 河原町 → 桂 → 嵐山 → 京大
地図を見るとかなりの距離のようですが、どれくらいかかるんだろう。

桜の森の満開の下、朝もやにけぶる桜。
星新一さんや初期の筒井康隆さんのSFのような話。
このもやもやとした不可思議な感じが懐かしい。他とはかなり印象が違います。
哲学の道、桜の名所なんですね。
五月に歩いたときはあまり大木な印象がなかったんですが、上流だと違うのかな。

百物語、語られる側が語る側、聞いてるはずが主人公。
蝋燭の炎のゆらめきって、それだけで怖さが増しますね。
一番濃い光のすぐ横にある一番濃い影。
お寺で怪談、蝋燭の灯りで怪談、ダブルで怖い。
怪談を聞くのも怖いですが、帰り道が一番怖そうな。
ぼんやりとじわりとにじむ怖さという感じです。

五つともオリジナルの雰囲気は残しつつ違う像を結んでいるという雰囲気なので、
オリジナルを知らない人も楽しめます。
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