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2009.08.09 Sun
えー、続きを読む以降には、週刊少年ジャンプで連載中の銀魂の台詞を引用した箇所が出てきます。

まだ単行本にはなってませんが(ブログの日付現在では)、
松陽先生の一部の台詞は引用文です。

また、絵の権利は
「読書とジャンプ」のむらきかずはさんにあります。


私に権利がありませんので、よろしくお願いします。

それから、続きを読む以降は私の書いた話です。
銀魂の世界観を基にしておりますが、公式なものではまったくないので、覚悟を決めてどうぞ。


とまあ、かたい話をしたところで。
えーとですね、詳しくは改めて書きますがむらきかずはさんの描かれた、小さい銀さんこと仔銀ちゃんと銀魂に触発されて、ぽこぽこと沸いた泡のようなものです。
ちょうど週刊少年ジャンプを十何年ぶりかに買い始めたところ、松陽先生の話も載ってたのでした。
そんなわけでの話ですが、よろしければお付き合い願います。

まあ、楽しんでいただければこれ幸いというところで、どうでしょう。



kogin-to-gin.jpg


暮れ六つ  

<一>


夕方が大嫌いだ。

どんなに晴れて夕焼けが辺りを染めても、地面の間際から
夜の色が染まり始めてる。じきに自分の時間だぞと教えている。
どんなに晴れてきれいな夕焼けが見れたって、夜はあっという間にやってくる。


ガアガアうるせえカラスより、そこら中に転がる屍より、うろつく野良犬が怖い。
オレとおんなじように死体から金目のものを漁る戦場稼ぎの大人より、餓えた野良犬のほうがずうっと怖い。
オレは餌だ。
あいつらだってガリガリだけど、紛れもなくオレの方が餌だ。
刀をいくらぶん回したって、犬どもは安全なところにちょっと移って、オレが眠るのを待っている。
闇の中で獣の目がちかちか光るのが見えると、あの荒い息や胆の冷える遠吠えが聞こえると、どうしようもなく不安になる。火をおこせば犬は寄ってこねえが、別のもんが寄ってくる。
星が瞬く前に木に登って、荒縄で幹に自分をくくりつける。
幾夜か落ちそうになりながら、ようやく最近いい幹を見つけた。その上で夜を過ごす。金に代えられそうな鎧や刀も別の木の上に上げてある。
下では犬たちの晩餐が始まり、気味の悪い音が明け方近くまで聞こえている。
木の上にいればちょっとはましだ。

犬と同じで、四六時中食べ物のことを考える。時々思うんだが、俺の腹の中に悪食で年がら年中腹ペコの野良犬がいて、いつも餌を催促しているんじゃねえかって。
食べるものが何もない日は川の水を腹いっぱい飲むか、森の向こうの村の畑から食えそうなものをかっぱらってくる。
川で魚でもやせたカニでも取れれば上々だが、腹の減ってる日に限って何も取れねえんだ。
道端の地蔵の供え物を頂戴することも多い。
地蔵は子供の守り神って知り合ったやつが教えてくれた。そんなら気にすることもねえはずだ。
戦のあった後なら、死人の懐にある半分腐りかけの握り飯を大事に食べる。
梅干が入っていてうまい。
前にこの辺りで戦場稼ぎをしていた男が教えてくれた。
「梅はその日の難逃れだって」な。
「死んじまったやつの梅だぜ、難逃れじゃねえんじゃねえの。」
馬鹿にしたようにオレが言うと、
「馬鹿だなあ、俺はおまんまに食いつけたんだ。俺にとっちゃあ難逃れよ。」
握り飯を半分よこして、そう言ってそいつは笑った。
オレにちょっと優しくしてくれて少しの間一緒にいたが、おんなじ戦場稼ぎに殺された。
この辺りじゃよくある話だ。


「ちっとも笑わねえ」
「ちっとも泣かねえ」
嫌なガキだ、ひねたガキだ。
かっぱらいを見つかって村の大人にそう言われて、いやというほどぶん殴られても蹴られても、同情めいたことをいうばばあにも、お愛想めかして薄ら笑いの人買いにも、オレは顔を変えねえ。
笑ってなんになるっていうんだ、泣いたらどうなる?
腹が空くだけだ。
泣いても笑っても誰も飯ひとつくれるわけじゃねえ。誰にもそんな余裕がないのはガキのオレだって知ってる。
「天人が来て以来、毎日が大変」なんだろ?
だからオレは刀をぶん回すことにした。


いつもいつも考えてる。どうやったら食べ物が手に入るのか、お腹いっぱいになるのか。
そして、
オレがどうしてここにいるのか、どうして一人なのか。

なんも覚えちゃいねえ。
オレがいるってことは、誰かがここに連れてきたってこった。
そして、ここに置いていったのだ。
実の親か、良くて人攫いか。
何度も戦がある場所に置いていくってどういうことなんだろうな。今のオレのように戦場稼ぎで何とかなるって思ったのか、戦に来て死んじまったのか。もうひとつ思い浮かんだ考えたくない理由が時々頭の中で巣を張って、オレをがんじがらめにしてしまう。
村の連中が嫌がるこの髪のせいなのか、目のせいなのかとも疑ってみた。
川面に映る白い髪や赤茶色の眼は周りの人間と違うと言うけど、自分にはよくわからねえ。
人並みに見られたくて、土を擦り付けてみたり墨を塗ってみたけれど、なんにも変わらねえ。
みすぼらしさが増しただけだ。
雨のそぼふるような夜は震えてなんも考えられねえが、まんまるなお月さんを拝んでいるとついつい考えちまう。



のんきに歌うたいながら歩いてるガキを見てると、無闇に腹がたってきた。
ばっかじゃねーのか。
連中に石を盛大に投げつけてやる。
ぎゃあぎゃあ騒ぎながら泣いて逃げるガキどもにオレが満足し、忘れた頃に当然のような顔をした連中の馬鹿親たちが大声をあげながら追いかけてくる。
いつものことだ、どうせ捕まりっこない。連中も本気じゃねえ。
お互いにお互いが本気じゃないことを知っていて、オレは捕まらない程度に逃げて森の中に入る。連中は森よりもずっと先にある戦場や屍の山を恐れて近寄っちゃこねえ。

ところが、その日は腹が減って逃げる途中で力が抜けた。どうにも足がいやいやして動きたがらねえ。
大急ぎで村はずれの薮の中に転がりこんで、腹ばいになって息を殺す。枯れ草であっちこっち傷が出来たがそれどころじゃない。
目の前を馬鹿親達がオレをののしりながら通っていく。どいつも見知った顔だ。
「ふてぇ、ガキだ。」
ガキ大将の親がそう言うと、へっぽことオレがあだ名をつけたヤツの親がそれに続く。
「アイツのあの髪はなんだ、天人か?まっ白じゃねえか、薄っ気味の悪りい。」
「戦場ねぐらにして、死んだ侍の金目のモンかっぱらうなんてよ、まっとうなヤツじゃあねぇ。天罰だろうさ。」
「まだガキなんだぞ、末恐ろしい。」
「正気の沙汰じゃねえぞ、鬼の子だって噂は本当かも知れねえな。」
「ヤツと目があえばたたるって言うじゃねえか、いまいましい。そのうち取っ捕まえて痛い目みせてやる。」
男たちは農作業に使うカマやナタやら脅し半分にぶら下げて、気炎をあげて唾をを吐き森の手前まで行くつもりだろう。連中は「地獄の森」と呼ぶ森を前にして引き返してくるから、それまでの辛抱だ。
腹さえいっぱいなら、あんな連中に負けやしないのに。
暴れたいのも悪態をつくも我慢してるオレの目の前を、のっそりとアオダイショウが通って、必死に悲鳴を噛み殺した。
情けねえ。


早く大きくなりてえ。
大きくなって強くなったら、どこかで楽しく暮らせるんだ。
屋根の下で毎度毎度腹いっぱいになるまでおまんま食って、布団の中で手足伸ばして眠れるんだ。
きれいな嫁さんもらうんだ。
子供が出来たら、オレが護ってやるんだ。


目が覚めたら、大人だったらいいのに。



<二>に続く
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