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2010.06.26 Sat
絵の権利は
「読書とジャンプ」のむらきかずはさんにあります。


私に権利がありませんので、よろしくお願いします。

それから、続きを読む以降は私の書いた話です。
銀魂の世界観を基にしておりますが、公式なものではまったくないので、覚悟を決めてどうぞ。

今回の話は京都旅行に伴って作った本の為に、紙ベースで書いたので文章が読みにくいかもしれません。
武州時代と江戸での過去と現在が並列で書いてあります。
また銀魂らしからぬ恋の話をテーマで考えた、四つの話のうちの一つとなっております。

また、銀さんやお妙さんが絡んでくるので、純粋に銀魂を楽しんでいらっしゃる方や、
あまり色っぽい話ではありませんが、特定のカップリングがお好きな方は止めておいたほうが無難です。
かずはさんの鉛筆絵の銀さんが、あんな顔で笑ってるのであんな感じで銀さんがSです。

話の長さの関係上二つに区切ってあります。
こちらは<2>となっておりますので、先に<1>をどうぞ


塗り絵をなさったのは、サクラバコのハコさんです。
毎度毎度どうもありがとう♪

では、楽しんでいただければ幸いです。
猛獣と十三夜に照らされて <2>



「あ?」

聞き違いか?耳を疑うフレーズが聞こえた気がしたんだが。
「あ、じゃなくて」お妙は銀時の目を見て、もう一度微笑んで拳を高く突き上げた。
「野球拳!」
目が点になっている銀時を差し置いて、お妙は楽しそうに野球拳のお馴染みのフレーズを歌い始めた。
「ちょ、ちょっと待て。何をおっぱじめるつもりなんだよ、お前、野球拳って。お前な、銀さんがいくら紳士だからって言ったってな、それはやばいだろ。野球拳はさすがにやばいだろ」慌てた銀時は歌いながら踊るお妙を止めようと試みた。
「大丈夫よ、私勝つもの」笑顔で自信たっぷりにお妙は答えて踊っているが、銀時は気が気じゃなかった。勝っても負けても、恐えええっ。ノリノリで歌うお妙も怖いが、その後はもっと…。考えたくねー。酔っ払いとの勝負は鬼門だっつーの。

「よよいのよいっ」
反射的にフレーズにあわせて銀時がグーを出すと、お妙もグーだった。ほっとする間もなく、
「よよいのよいっ」
とお妙が歌うのにあわせて、またもグーを出す。お妙はまたもグーだった。
「もうっ、もう一回。よよいのよいっ」このまま、この酔っ払いがグーを出し続けてくれないかと銀時は思ったのが間違いだったかもしれない。続いて、お妙はパーを出した。
「わーい、私の勝ち、ね」手を叩いてお妙は無邪気に喜んだ。
「あー、俺の負けだわ。さ、寝ろ」誤魔化してお妙の手を取って和室に連れて行こうとすると、ふわりと体が持ち上がり、銀時が足払いをされたことに気がついたときには、床に倒れていた。鼻の先に、床にこぼれたままになっていたビールの雫が、点々と落ちているのが見えた。
「い、痛てててっ。何すんだよ」
「何すんだ、じゃ、ねーだろ」床から見上げたお妙の目が魔王の光を放って、銀時の身を凍らせた。
「おい、てめー、負けたんだろ?」どん、と銀時の耳の横にお妙の足が振り下ろされる。ぎろりと見下ろし、銀時の耳を足袋がつんつんとつつく感触で鳥肌が立った。
「え?ええっと、銀さん、負けた、のかなー」ぎこちない作り笑いを銀時は浮かべると、恐る恐るご機嫌を伺った。
「負けたのかなー、じゃねーだろ。誤魔化してんじゃねー」ぼきぼきと指を鳴らし不敵の笑みを浮かべて「脱げよ」とお妙は冷たく言い放った。

「え?あ、あの」男らしいお妙の言い草にちょっと銀時は感動を覚えながら、口ごもった。
お妙は戸惑う銀時に顔を寄せ、襟をぐいっと掴みあげると「脱げ」と、これまた男らしく告げた。こいつ、絶対ぇー、性別間違えてるってーっ。性別どころか種別も違うってー、人間じゃないってぇぇーっ。どうして俺の周りってこんなんばっかりなんだぁぁぁーっ!
銀時が新婚初夜の花嫁のように怯えながら黒いシャツを脱ぎ上半身裸になると、お妙はけらけらと笑いながらそれを手に取った。
「わーい、私の勝ちね。じゃあ、次の勝負、いってみよー」うってかわったように、お妙はかわいい女の子の声に戻った。ノリノリである。
俺が素っ裸になるまで、この勝負終わらねえんじゃねーのか。先ほど床に打ち付けられた銀時の頭が、ずきずきと痛み出した。

「よよいのよいっ」
引き分けをグーチョキパーで5度繰り返し、いい加減この酔っ払いもあきらめるんじゃねえかと銀時が思い始めた頃、勝負がついた。
困ったことに、銀時の勝ちである。
野球拳で女性に勝って、冷や汗が流れたのは初めてだった。こんなにおいしいシチュエーション、普通なら滅多にない好機だっつーのに、こんなに恐ろしい展開だと思ってもみなかった。本当なら女に誘われて野球拳なんてだけで、舞い上がれるはずなのに。この最凶の酔っ払い相手では、今の俺はどっちかっつーとか弱い兎みてえなもんだ。
か弱くない兎が頭に浮かび、銀時は兎っていうよりも何ならぴったりだろうとちょっと考えた。
そんな銀時の頭に答えが浮かぶよりも前に、目の前では危機が展開していた。

お妙はしゅるしゅると帯を解き、着物をもう脱ごうとしていた。
「待て、待て、待て、待てぇぇーっ!」
銀時が慌てて止めると、不思議そうな表情でお妙は銀時を見た。
「あら、銀さん。負けたんだから、潔く脱がないと」
「おいいっ、こんなとこまで潔くなくていいんだっつーんだよ。お前な、お前だって一応年頃の若い女なんだから、野郎の前でなんて肌さらすんじゃねーよ。そんなことしちゃ、いけねーだろ、おい」
大声を上げる銀時を見て、にっこり笑うとはらりと着物を脱いで、お妙は肌襦袢一枚になった。
口を開けたまま銀時が何も言えないでいるのを全く気にせず、お妙はなおも野球拳を続けようとする。その意図が全く銀時には理解できないので、固まったままの銅像にでもなった気分だった。
万が一にでも誘っているならどうしようと銀時はちらりと思う。いやいやいや、そんなことない。そんなことは、絶対ぇぇーッにないって。そんな展開はちーっともないって。一向に助けに来てくれない定春を、寝ている押入れの下段から無理にでも引っ張り出すか。
「なぁ」銀時はお妙へ、もう止めようと再度提案しようとした。それがまずかった。

銀時の手は、微妙に開いており、お妙の手ははっきり閉じていた。

「やだー、負けちゃったー。銀さんったら野球拳強いのね」顎に手を当て、首をかしげながら感心したようにお妙は言うと、また帯に手をかけた。
銀時は「待てって、おい。こら、待て、待て、待てぇぇぇぇーっってっ!」とまたも大声で慌てて騒ぎながら、彼女を止めようとしたのだが、遅かった。
しゅるりと、あっけなくお妙は帯を解いた。
それ以上は目を向けずに大急ぎで和室にお妙を押し込めると、銀時は背中を向けた。

「おっ、おめーは、ホントに馬鹿な!大馬鹿だなっ!何考えてんだよっ、もう、寝ろ」銀時は混乱した中身ごと右手で頭をがしゃがしゃと掻くと、背中越しにふすまを閉じようとした。
くしゅっと、くしゃみの音が小さく背後に聞こえた。
「ねえ銀さん、どうしよう風邪引いちゃう」
銀時はその場に落ちていた着物をろくに見もしないで掴むと、前を向いたままで後ろ手で差し出した。
「どうしようじゃねーだろっ。着て、布団にもぐって、とっとと寝ろっ」銀時はふすまを勢いよく閉じて、ふうっと溜息をついた。体中の力が抜けて、緊張しきっていたことがよく分かる。床にお妙の帯と着物が一枚落ちていたが、もう一度和室の扉を開ける気力はもうなかった。

なんつー女だ。誰だお妙に酒呑ませたヤツはー、誰だすまいるで野球拳なんてしたヤツはー。
まだどきどきと慌てふためいて鳴る心臓に、ちょっと楽しい気分になった。女に服を脱がれて、慌てるなんてチェリーのやることだよな。あー、こんな気分は久しぶりだ。
それにしても、この事態が新八に知れねえようにしねえとなあ。
銀時はそれ以上は何も考えたくなくて、そのままソファに倒れこむようにして顔を埋め、頭から布団をかぶった。

翌朝のまだ薄暗い時間に、恐る恐る中を見ないように背を向けたまま、銀時は和室のふすまを開けた。後ろ向きのまま灯りも点けずに、箪笥の中の黒いシャツをそうっと取り出す。
がさっと布の音がして、「!」という声にならない悲鳴が、後ろから漏れるのが聞こえた。
「ちょ、ちょっと銀さん。何か着てもらえます?」
慌てながらも冷静さを保とうとして、まるで昨夜は何事もなかったかのように、まじめに注意するお妙の声に、銀時は思わず笑った。
「ねえ、銀さんたら。あの、聞いてます?」お妙の声がほんの少し小さくなった。
ちらりと横目で後ろを伺うと、自分の着流しの白と青が見えた。お妙は銀時の着物を羽織っているようで、銀時は一安心する。
「あのなー、全然夕べのこと覚えてねーのかよ」安心した気持ちを見透かされないように、銀時が呆れたように言うと、ちょっとだけ心細そうだったお妙が、いつもの調子を取り戻した。
「お、覚えてますっ。だから、私。こんな格好で、こうしてここにいるんでしょ。私のことはいいから、銀さん早く何か着てください」ふいっと横を向いて強気の姿勢でいようとするお妙を、銀時はちょっとからかってみたくなった。

銀時はちょっと近寄って、横を向いたままこちらを少しも見ようとしないお妙の顔を見た。
「あのなー、おめーが俺の着物を着てるから、銀さん上半身裸なんですけど」
頭を掻きながら銀時が呆れたように言う言葉で、うっすら赤くなっているお妙の顔を見ていると、なんだか無性におかしくて仕方ない。銀時がソファにかけておいたお妙の着物と帯を差し出すと、ひったくるようにして彼女はそれを受け取った。

「今すぐ脱ぎますから、こっち見ないでください」
銀時がまだ近くにいるのにもかかわらず、布団で素肌を隠しながら銀時の着流しをパニックになって脱ぎ、大慌てで着替えようとしているお妙に、銀時は追い討ちをかけたくなった。いつもなら強気に銀時をやり込めて、反撃の隙すら見せないお妙が、うろたえて普通の女の子になっているのが新鮮だった。
大人げねーなと思いつつも、もっと慌てさせたくなった。
「なー、見ないでくれって言うけどさ、自分から脱いだんだぞ。銀さん、止めたんだからなー」
面白がってからかう銀時に、お妙は一瞬息をのんだものの、まだへこたれない様子だった。きっとなって銀時を睨むと、ぷいとまた顔をそむけた。
「わ、分かってますっ」


「脱げよ」


「な、なに、い、言って」
お妙の声は震えて、聞き取れないほど小さかった。そして目を大きく見開くと、それ以上は何も言えずに口を開けたまま固まってしまい、あっという間に見事なほど真っ赤になった。
「って、おめーが言ったんだぞ」
わざと言葉を区切ってそっけなく言う銀時の言葉で、お妙は急に我に返ると、まだ手にしていた銀時の着物に顔を埋めるように隠して、そのまままた動かなくなった。
「なあ、銀さんの着物返してくれねえと、風邪ひいちまうんだけど」銀時は音も立てずに近寄って彼女の横に座り、お妙がまだ半身を隠している布団に左手をつくと、ぐっと体を寄せた。

「そんなに、いい匂いか?俺の着物」

と、赤い色をした耳元へ、ぼそりとからかい調子で意地悪く声にする。
思わず口の端がにやけるのが自分でも分かった。

gintae small


「―――――っ!」

布団で前を隠したまま、銀時の方を向き直るとお妙は銀時の横っ面を拳骨で思いっきり殴り倒した。
「い、痛ってー」
「出てってくださいっ」

威勢の戻ったお妙の顔に笑いながら銀時は応えると、ずきずきと痛む頬をなでて居間に戻った。お妙はあっという間に着替えて出てくると、真っ赤になった顔のままで玄関へとずんずんと進んだ。
痛む頬を撫でながらいつもの顔で見送る銀時に、くるりと向き直って頭を下げた。

「どうも、昨日はお世話様でした」赤い顔で、まだ怒っているみたいに顔がうんと強張っている。あんな後でもきちんと礼をするのが、お妙らしいと銀時は思った。

「どういたしまして」銀時は首を鳴らしながら面倒くさそうな様子で、お妙を見た。
「でも、銀さん。当分の間は、私に話しかけないで下さいね。酔ってる女の子の野球拳を止められないなんて、最低だと思うわ。」
「なっ、おめーの行動を止められる人間がいるなら、俺は見てみたいね」
「そういうこと言うところが、デリカシーがないんです。それでも止めるのが、銀さんでしょ?」真剣な顔で、小さい子を諭すようにお妙が言うので、銀時は笑ってしまった。

「次からはうまいことやれってか」さっきのお妙を思い出して、また銀時はにやりと笑ってしまった。
「人をなにかの猛獣みたいに言うんだから、立派な猛獣使いになってくださいね」そんな銀時を真顔で見て、お妙はぷいと横を向いてそう言った。


そしてそれだけ言うと、もう一度お妙は銀時に頭を下げて、まだあまり起きていない町に消えた。

銀時は、きちんと片付けられた客用の布団と、その上に畳まれた自分の衣服をを横目に見て、ソファにまた横になった。
もうじき、二人が帰ってくるはずだ。
それまでの間、猛獣使いになった夢でも見ようかと、あくびをひとつして、目を閉じた。

 




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